2017年11月27日月曜日

171127 大成建設ほか、ブラック企業大賞にノミネート


東京オリンピック・パラリンピックで使用するメインスタジアム「新国立競技場」の建設工事の元請会社である大成建設およびその一次協力会社である三信建設工業(地盤注入工事、アンカー・斜面安定工事、地盤改良工事などを担う特殊基礎土木工事業者)が第6回(2017年)ブラック企業大賞にノミネートされました。

このノミネートは、今年3月に三信建設工業新入社員(当時23歳、以下A氏)が自殺した事件を受けてのものです。同自殺は長時間労働による過労が原因の労災である、と新宿労働基準監督署に認定されています。A氏は自殺直前の1カ月で約190時間の残業を行っていたとのことです。

この事件を契機として、東京労働局が「新国立競技場」建設工事に関わる約760社を調査した結果、うち37社で違法な時間外労働が確認され、新宿労基署は是正勧告を行いました。報道では、このうち、元請会社や一次協力会社の長時間労働が顕著で、労働局の担当者は「施工管理者が多く、現場作業後のデスクワークで長くなる傾向がある」と指摘しています。新宿労基署は、元請会社の大成建設にも、入退場記録を提供するなど協力会社に労働時間の適正把握を促すよう求め、行政指導を行いました。


こうした悲しい事件が起こった背景には、極めて厳しい工期を指定しながらそれに応じた工事発注金額を支払わない工事発注者側にも問題がある、ということが挙げられます。十分な工事発注金額であれば建設業者も十分な人員を配置できるのですが、発注額が過度に抑えられると人員を削らざるをえない(一人あたりの負荷が大きくなってしまう)のです。こうした観点を一般の方にもっと理解してほしいと思う今日この頃です。

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